サイレントマニプレーション
サイレントマニプレーション
外来で行う徒手的肩関節授動術とは?
Silent Manipulation for Frozen Shoulder
~難治性の五十肩(凍結肩)に対する次の一手となる治療~
五十肩に対して通常のリハビリや注射による治療を行っても、なかなか肩の動きの改善がみられない場合に行う治療法です。
麻酔をかけて痛みを感じない状態にした上で、ゆっくりと強い力をかけて肩関節を動かすことで、硬く癒着した関節包をはがして可動域を広げます。
対象となる方
・通常のリハビリや注射による治療を3ヶ月以上行っても改善がみられない方
・肩の可動域が著しく制限されている方
・睡眠中に痛みで目が覚める、着替えや洗髪が困難など日常生活に支障がある方
対象外となる方
以下のような方は、治療の対象とならない場合があります。
・骨粗鬆症のある方
・局所麻酔薬にアレルギーのある方
・慢性の呼吸器疾患がある方
・リハビリ通院が困難な方
・その他、医師が不適当と判断する場合
治療の流れ
1. 事前診察・検査
診察にて肩の可動範囲などをチェックし、レントゲンやエコー検査などを行います。
これまでに行った治療経過をふまえた上で、マニプレーションの適応を慎重に判断します。
2. マニプレーション当日
- 1. 麻酔処置(約15分)
エコーガイド下に、首の付け根にある神経に神経ブロック注射(腕神経叢ブロック)を行います。さらに、肩関節内にも麻酔薬を注射し、肩に痛みを感じない状態にします。
- 2. マニプレーションの操作(約5分)
麻酔がしっかりと効いていることを確認した上で、ベッド上に仰向けの状態で肩関節をゆっくりと丁寧に動かし、硬くなった関節包をはがしていきます。
- 3. 経過観察(約15分)
施術直後はしばらく経過観察を行って問題ないことを確認してから、三角巾で腕を固定した状態でご帰宅いただきます。
3. マニプレーション後
マニプレーション後しばらくは週2回以上のリハビリを行っていきます。
※リハビリ通院が困難な方にはマニプレーションを行うことはできませんのでご了承ください。
治療のポイント
・入院して全身麻酔で行う関節鏡視下手術の代わりに、外来で短時間で行うことができ、身体への負担が少ない治療法です。
・麻酔をかけて行うため、施術中の痛みはほとんどありません。
・通常の治療で長期間改善がみられなかった方でも、短期間で肩の可動域の改善が期待できます。
治療後の注意点
直後は麻酔の影響があります
麻酔の影響により、3〜4時間ほど治療した側の腕に力が入りにくい状態となります。
麻酔の効き目がなくなるまで車の運転などを控えていただく必要がありますので、当日はご自身で車を運転しての来院は不可となります。
翌日からのリハビリがとても大切です
マニプレーションで一度動かせるようになった肩も、そのまま動かさないでいると再び癒着して固まってしまうことがあります。これを防ぐために、翌日から積極的に肩を動かし、週2回以上の通院リハビリを継続することが重要です。
本治療は、正常な可動域の70-80%の改善を目指すものであり、治療効果には個人差があり、100%の可動域を取り戻せるわけではありません。
合併症について
サイレントマニプレーションは安全な治療ですが、一時的な肩の痛みや腫れ、皮下出血などのほか、まれに骨折や腱損傷などの合併症が起こることがあります。
また、麻酔によるふらつきや血圧低下、息苦しさ、アレルギー反応などが起こる可能性があります。
当院では、安全に十分配慮して治療を行っており、万一合併症が起こった場合には適切に対処いたします。
- よくある質問
- Faq
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健康保険は使えますか?
はい、使えます。保険適応の治療となります。
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治療後は痛いですか? すぐに運動や仕事に戻れますか?
痛みには個人差がありますが、治療後は数日間、肩に痛みが出ることがあります。必要に応じて鎮痛剤を内服していただき、痛みをコントロールします。翌日からは無理のない範囲で、日常生活や仕事への復帰が可能です。