骨粗鬆症
骨粗鬆症とは
骨粗鬆症とは、加齢などにより骨の密度が減少してスカスカになった状態のことです。
骨粗鬆症になるとくしゃみなどのちょっとしたことでも骨折が起こり、それがきっかけで体が弱って寝たきりの原因になったりして、その後の生活に大きな影響を与えてしまうこともあります。
70歳代の女性の約半数は骨粗鬆症になっているといわれており、閉経後に女性ホルモンが減少することが大きく影響しています。
男性はなりにくいですが、75歳を過ぎると注意が必要です。
加齢以外の骨粗鬆症になりやすい要因として、以下などがあげられます。しっかりと予防していくことが大切です。
・ビタミンDやカルシウムの摂取不足
・運動不足
・偏食やダイエット
・喫煙
・飲酒
・ステロイド剤の長期服用
症状
骨粗鬆症になっても、骨折を起こさないかぎり痛みなどの症状は出ません。
以前に比べて背中が丸くなってきたり、背骨の痛みが長引いたりする場合は“いつの間にか骨折”を起こしている可能性があります。
検査·診断
骨密度測定装置で骨密度を測定して診断します。
当院では、骨粗鬆症ガイドラインで推奨されているDXA法による腰椎と大腿骨の測定を行なっています。
DXA法とは、2種類のエックス線を用いて骨量を測定する方法で、最も正確に骨量を測定することができます。
検査時間は10分ほどです。骨密度が若年成人の平均値の70%未満だと骨粗鬆症と診断されます。
また、血液検査で骨代謝マーカーや血中カルシウム濃度を調べたりもします。
女性は閉経期を迎えて女性ホルモンの分泌が低下すると、その後10年ほどで骨密度が大きく減少します。
骨密度には個人差がありますので、50歳を過ぎた女性は一度骨密度を測っておいて、ご自身が標準値と比べてどのくらいなのか知っておくことも大切です。
- 治療
- TREATMENT
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- 食事療法
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当院では、栄養士による栄養指導を行っており、普段の食生活での改善すべき点がないかどうかアドバイスしています。
体組成計による筋肉量、体脂肪量、体水分量、基礎代謝量などの測定も行っており、「日頃から運動して食生活には気をつけている」という患者さんにとっても、ご自身の体の状態を客観的に知っていただくことができます。
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- 運動療法
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運動して骨に負荷をかけることで、骨をつくる細胞が活発になって骨が丈夫になります。
足腰に筋力がつくことで転倒しにくくなり骨折予防につながります。
また、日光を浴びる事によってビタミンDが皮膚でもつくられますので、屋外で適度に日光にあたることも大切です。
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- 薬物療法
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内服薬には毎日のものから月1回のものまで、注射薬は毎日のものから年1回のものまでさまざまな薬剤があります。
いずれも骨粗鬆症の程度とタイプによって使い分け、もっとも適した薬剤を選択します。