首|治療のご案内
首
Cervical spine
首の痛み Neck pain
1 症状
首や肩のこり・痛みに悩む方は大変多くみられます。
主な原因は、不良姿勢による頚部周辺の筋肉疲労に加え、ストレスや睡眠不足などが重なって血流が滞り、筋肉が硬くなることです。
長時間のデスクワークや手作業、加齢による変化、けがなど、さまざまな要因で起こりますが、近年では、スマホの長時間使用による首・肩こりが増えています。
症状が悪化すると、肩甲骨や上肢に広がる痛みやしびれといった神経症状、さらに頭痛・めまい・吐き気・息苦しさなどを伴うこともあるため、早めの対処が大切です。
2 受診の目安
- 首の痛みが長く続いている
- 首の動きが制限されている
- 肩甲骨や上肢に広がる痛みやしびれがある
- 腕や手に力が入りにくい
- 頭痛やめまい、吐き気などを伴っている
3 検査と診断
頚椎のX線(レントゲン)検査にて、ストレートネックやなで肩·巻き肩がないか、脊椎の歪み(側弯)による肩下がりがないか、椎間板の変性がないか、骨の棘(とげ)によって神経の通り道が狭くなっていないかなどを調べます。
上肢の神経症状があればMRI検査を行うこともあります。
上リラックスの妨げとなっているストレスも筋緊張の大きな原因となりますので、仕事や家庭、学校、スポーツなどの環境因子についても探っていきます。
4 代表的な疾患
- 頚椎症
- 頚椎椎間板ヘルニア
- 頚肩腕症候群
- 頚椎捻挫・外傷性頚部症候群(交通事故など)
5 治療方法
- 薬物療法
-
鎮痛薬、筋弛緩薬、漢方薬、安定剤、外用剤
神経障害性疼痛の鎮痛薬などの痛み止めや筋緊張を和らげる薬(筋弛緩薬)のほか、血行改善や筋弛緩作用のある漢方薬などを用います。
睡眠不足や心配事·イライラなどのストレスによる自律神経の影響が考えられる場合には、気分を落ち着かせる薬を用います。 - リハビリ
- 理学療法、物理療法
- 生活指導
- 姿勢改善やストレッチの指導
- 手術療法
- 保存療法(手術以外の治療)で改善なく、神経症状が強い場合には手術療法が選択されます。
代表的な疾患
頚椎症
症状
頚椎症では、首や肩甲骨まわりの痛みや肩こり感がよくみられます。
- 神経根症
- 首から肩甲骨、腕から手指にかけて、左右どちらか一方に痛みやしびれが出ます。進行すると、腕や手の筋力低下や感覚の鈍さが生じることもあります。
- 脊髄症
- 両方の手足にしびれが出たり、細かい動作がしにくくなったりします。ボタンのつけ外しや箸の操作、字を書くといった手先の作業が難しくなります。さらに進むと、歩行時に足がもつれて歩きづらくなることもあります。
どんな病気?
首の骨(頚椎)の間には「椎間板」というクッションがあります。
椎間板は20歳代から少しずつ変性が始まり、弾力を失ってひびが入ったり、つぶれて薄くなったりします。
その結果、骨にトゲのような突起(骨棘)ができたり、靭帯が硬くなったりすることで神経を圧迫します。
圧迫の部位によって、大きく2つの病態に分けられます。
- 脊髄を圧迫 → 頚椎症性脊髄症
- 神経根を圧迫 → 頚椎症性神経根症
検査と診断
診察では首の動きを確認し、後ろに反らしたときに痛みが強くならないかを調べます。また、上肢の筋力や感覚の低下、腱反射の亢進の有無を確認します。
画像検査では、X線(レントゲン)検査で椎間板の厚みや骨の棘(とげ)などの変化を調べ、必要に応じてMRIで脊髄や神経の圧迫を詳しく確認します。
治療方法
- 神経根症の場合
-
神経根症のほとんどは時間の経過とともに自然に軽快していきます。
回復には数週間から数か月かかることもありますが、痛みの強い時期を過ぎれば少しずつ落ち着いていきます。症状を悪化させないために首を反らす姿勢を避け、必要に応じて頚椎カラーによって安静を保ちます。
鎮痛薬などによる薬物療法を行い、痛みが強いときには神経ブロック注射をすることもあります。
強い痛みが落ち着いたら、リハビリで筋肉の緊張を和らげて、首の動きを回復させていきます。ごくまれですが、痛みが強くて日常生活に大きな支障がある場合や、筋力低下が進行する場合には、手術を検討することもあります。
- 脊髄症の場合
-
脊髄への圧迫が強いと、軽い転倒などでも脊髄損傷によって手足が動かなくなる危険があるため、まずは転倒予防が大切です。
手の細かい動作(ボタンのつけ外しや箸の使用)が難しくなったり、歩行に支障が出てきたりして日常生活に支障がある場合には手術治療が選択されます。
脊髄症であれば、保存療法が無効なことが多いです。
頚椎椎間板ヘルニア
症状
首の痛みや肩こりから始まり、次第に肩甲骨・腕・手指にかけて放散する痛みやしびれが出ることがあります。
症状は左右どちらか一方に出ることが多く、進行すると手の力が入りにくくなったり、感覚が鈍くなったりすることもあります。
さらに脊髄が圧迫されると、両手足のしびれや動きにくさが現れ、ボタンのつけ外しや箸の操作といった細かい手作業が難しくなることもあります。歩行時に足がもつれるといった症状もみられます。
どんな病気?
首の骨(頚椎)の間には、クッションの役割をしている「椎間板」があります。
椎間板は、年齢や日常の負担によって傷んでくると、外側の線維に亀裂が入り、中のやわらかいゲル状の組織が飛び出すことがあります。
これが「頚椎椎間板ヘルニア」です。
飛び出したヘルニアが神経根を圧迫すると、腕や手に痛み・しびれが出る「神経根症」、脊髄を圧迫すると手足のしびれや動かしにくさが出る「脊髄症」として症状が現れます。
検査と診断
診察では、首の動きで痛みやしびれが誘発されるかを確認します。
あわせて、筋力や感覚の低下、腱反射の異常などを調べます。
画像検査では、X線(レントゲン)検査で椎間板の厚みや骨の変化を確認します。
さらに、MRIで椎間板の突出や神経・脊髄への圧迫の有無を詳しく評価して診断します。
治療方法
- 神経根症の場合
-
多くは時間の経過とともに自然に軽快していきます。
症状を悪化させないために首を反らす姿勢を避け、必要に応じて頚椎カラーによって安静を保ちます。
消炎鎮痛薬などによる薬物療法を行い、痛みが強いときには神経ブロック注射をすることもあります。
強い痛みが落ち着いたら、リハビリで筋肉の緊張を和らげて、首の動きを回復させていきます。数週間から数か月で回復することが多く、約3ヶ月の保存治療で8〜9割の方は改善するといわれています。
痛みが強くて日常生活に大きな支障がある場合や、筋力低下が進行する場合には、手術を検討することもあります。 - 脊髄症の場合
-
脊髄への圧迫が強いと、軽い転倒などでも脊髄損傷によって手足が動かなくなる危険があるため、まずは転倒予防が大切です。
手の細かい動作(ボタンのつけ外しや箸の使用)が難しくなったり、歩きにくさが出てきたりして日常生活に支障がある場合には、手術治療が選択されます。
脊髄症であれば、保存療法が無効なことが多いです。
頚肩腕症候群
どんな病気?
頚肩腕症候群とは、首から肩、腕にかけての痛みやしびれ、だるさなどの症状が続く状態を指します。
頭痛やめまい、吐き気といった自律神経症状を伴うこともあります。
症状が長く続くと、日常生活や仕事に支障をきたすことも少なくありません。
原因はひとつではなく、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用による姿勢の悪さ、加齢による頚椎の変化、筋肉の疲労や血流の滞りなど、さまざまな要因が関わっています。
特になで肩や巻き肩のある方に多くみられます。
検査と診断
診察では、首や肩の動きを確認し、筋力や感覚に低下がないかを調べます。
X線(レントゲン)検査では、頚椎の並びや加齢による変化、なで肩の程度などを確認します。
必要に応じてMRI検査を行い、神経への圧迫の有無を詳しく調べます。
症状が筋肉のこりや緊張だけによるものか、それとも神経症状も関わっているのかを見極めることが、正しい診断につながります。
治療方法
まずは、日常生活習慣を見直し、首や肩に負担をかけない正しい姿勢を保つことが大切です。
治療は、鎮痛薬や漢方薬などの薬物療法、ハイドロリリース注射や神経ブロック注射などの注射療法、そしてリハビリを組み合わせて行います。リハビリでは、首や肩甲骨の動きを改善し、筋肉の柔軟性を高めていきます。
原因に合わせた治療を行うことで、症状を和らげるだけでなく、再発の予防にもつながります。
頚椎捻挫・外傷性頚部症候群
症状
交通事故で追突された後などに、首の痛みや動かしにくさという症状がでます。肩こり感や背中の張り、頭痛を伴うこともあります。さらに、しびれ・めまい・耳鳴り・吐き気などの自律神経症状が出ることもあります。
受傷直後は症状が軽くても、数時間から数日後に症状が強くなることがあります。
どんな病気?
交通事故や転倒、スポーツ外傷などで首に急な力が加わった際に、首の筋肉や靭帯が過度に緊張したり、首の骨の連結部分が捻挫したりして痛みが起こります。
いわゆる「むち打ち症」と呼ばれることもあります。
検査と診断
まずは診察で、首の可動域や痛みの程度、神経症状(しびれ・感覚の異常など)の有無を確認します。
X線(レントゲン)検査で骨折などの異常がないかを調べ、必要に応じてMRI検査を行って神経や軟部組織の状態を評価します。
治療方法
初期は安静を心がけ、痛みが強い場合は頚椎カラーで一時的に固定することもあります。
薬物療法として消炎鎮痛薬や漢方薬を使用します。
強い痛みが落ち着いたら、リハビリで筋肉の緊張を和らげて、首の動きを回復させていきます。
症状が長引く場合には、ハイドロリリース注射や神経ブロック注射などを併用することもあります。